頭がおかしいといわれても、自分で信じたことをやるだけ、いやむしろバカにされるくらいのことやろう。
僕らはリアカーで歩いて鹿児島から北海道までいくわけで。
歩くルートはこんな感じ。(若干変更あり)
(赤線が徒歩、緑は船または車)
なんでこんな複雑なルートにしたかというと理由があって
それは、全国の原子力発電所を結んでいるんですね。知らなかった人も多いはず。だってあんまり言ってないんだから。
説明を求められても、うまく説明できないし、言ったところでみんなポカーンだからね。
ゲンパチその人生
ちょっと原発を、会社に務めている人間(以下、ゲンパチさん)に置き換えて考えてイメージして欲しい。
ゲンパチ・62歳男性
(株)ハツデンに40年勤務する。大酒飲み。
傾いていた会社を軌道にのせるなど大活躍してきたゲンパチ。だがしかし、持病の影響で、ある時大きな失敗をおかしてしまう。それから会社での信用はガタ落ち。それどころか批判の嵐。
それまでは、「あなたのおかげで会社がやってこれた」とか若いころは「未来の希望だ」みたいに言われてた。それが失敗してから、今まで自分を慕ってくれていた社員からも手を返したように「あんたなんか早くいなくなればいいんだ」とか総責めに合う。会社からもお荷物扱いされる。
それからというものゲンパチは人間不信になり精神科を受診。鬱と診断。会社からはクビは免れたものの、給料は一時ストップ自宅謹慎。
それはあんまりでしょ。
だから僕は、ひとつひとつの原発をまわりながら
「まあ、ゲンパチさん生きてるといろいろありますよね、よく頑張ってきたよ、うんうん。とりあえず飲みにでもいきましょうぜ。」的なことをしてる。
こう、だれかひとりでも寄り添ってくれる、理解してくれるやつがいてもいいじゃないか。
そんな事を感覚的に行っている。
賛成、反対で戦っている場合じゃない
反対や批判をしているだけではなにも変わらない。これは原発に限った話ではなく理想の世界があるのなら、それを自ら作ったらいい。政治家に任せて自分は不満だけ言ってるだけではつまらないし、自ら動いたっていい。国づくりは政治家だけの仕事じゃない。そして○か×の二元論を飛び越えて新たに創造すること。
:参考記事
いろんな事情もあるから簡単な話ではない
さっきのゲンパチの話に戻してみよう。ゲンパチの話にはちょっとややこしい事情もある。ゲンパチは事件の前まではかなり給料がよかった。人がいいゲンパチはお金がなくて学校に行けない子ども達に支援金をだしていたのだ。ゲンパチが職場復帰すればまた支援できるが、このままクビになれば支援できなくなってしまう。
また、ゲンパチは大酒飲み、いつも近所の小さな飲み屋に後輩社員を連れて行く。ほとんど客はおらずゲンパチ達が貸し切りの日も少なくない。この小さな飲み屋はゲンパチという上客がいたからやってこれたようなもの。この飲み屋もゲンパチの職場復帰をのぞんでいる。
原発立地の自治体には補助金がでたり、雇用が生まれることで自治体や家庭の経済状況をたもっている。また地域の産業も原発があることで潤っている職種もある。原発が危険な事は知っているが頼らざるを得ないのが実状でもあるようだ。地域内の人間関係もあるので原発の話はあまりできず、行き場のない感情を心の中に貯めている周辺住民も多い。
電話をくれた原発周辺に住む女性
知らない電話番号からの着信。(僕はHPに携帯番号を記載している)出ると「先ほど、歩いているのを見かけてぜひふたりに会いたい」ということだったのですぐにお会いすることに。
女性「私、すごく恥ずかしがり屋なんです」
僕「よく恥ずかしがり屋なのに電話をくれましたよね」
女性「そうなんです、実は手は震えながら電話をかけました」
車から僕らを見かけ、調べてブログを読んでくれたらしい。そして彼女は続ける。
女性「私は、原発周辺に住んでいて、いろんなしがらみがあるからどうすることもできなくて。そんななか二人の事を知って。自分には何もできなくて。代わりにこうして活動してくれていることが嬉しくて。。」
最後には、涙を流しながらそう話してくれた。そして、その女性は差し入れと餞別をくれて去っていった。
これには僕の中にもぐおおおっとくるものがあった。
こういったどうすることもできない人の存在もあるだろうと思っていて、僕が僕のしたいように表現することで、結果的にその人達の心を少しでも軽くすることができるのでないかと思っていたので、これは僕も嬉しかった。
ゲンパチ物語その後
「なんか俺もういいかな」ビールジョッキを片手にそう語るのはゲンパチ。ゲンパチの行きつけの飲み屋で僕は一緒に飲んでいる。
「あの失敗以降、大勢の人に批判された。もちろん俺が迷惑をかけたからしょうがないことなんだけど、だれも味方がいなかった。きつかったなー。だから人間不信にもなり鬱にもなった。そして、会社を恨んだ。このまま辞めてやるもんかって思ってたよ。でも、アンタがあらわれた。カヤノ君アンタだよ。こう、なんというか誰かひとりでも自分のことを理解してくれようとしてくれる人がいるってだけで嬉しかった。だからもう会社を退職しようと思うんだ。持病のこともあるしね。しかも、今は優秀な若手もいっぱい育ってきてる。外から見守ることにするよ。」そうゲンパチはすっきりとした表情で言った。
翌年、僕がその飲み屋をたずねると、ねじりハチマキに明るい顔をして接客しているゲンパチの姿があった。ゲンパチが働きはじめてから、お客も増えたらしい。そして給料の一部をまた子どもたちに支援しているんだとか。
僕はその店内のにぎやかな光景をみてなんだか幸せな気持ちになった。
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そんな妄想をしているカヤノでした。
頭おかしいでしょ?笑
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